ニッケル・オデオン

HUMBERT HUMBERT( ハンバート ハンバート ) ニッケル・オデオン歌詞
1.みじかいお別れ

作詞:佐藤良成・佐野遊穂
作曲:佐藤良成

空はたそがれ 遠く人影、かれは誰?
風にちぎれて 小さくばらばらになる

僕の胸のやぶれた穴を
朝と夜とが来ては過ぎ去る
果てしなくて逃げ出してから
今日までずっとさまよってきた

夜が明けたら 帰ろ 帰ろう 朝日の中を
ながい夢から覚めたら おかえりと迎えて

窓に夕やみ すっかり歳をとった僕が
通りを眺めて 小さくまた口ずさむ

泥の中の細い光が
きっと今なら僕にも見える
たとえそれがばかげていても
生きてる限り何度もするよ

夜が明けたら 帰ろ 帰ろう 朝日の中を
ながい夢から覚めたら おかえりと迎えて

夜が明けたら 帰ろ 帰ろう 雨にぬれても
僕は歩きつづけよう その日が来るまでは


2.ゆうべは俺が悪かった

作詞:佐藤良成
作曲:佐藤良成

けんかはいやだ
見るのもいやだ
いいもわるいも
あるもんじゃない

おまえのせいで靴はずぶ濡れ
ズボンの裾には泥がはねて
おまけに俺のお気に入りの櫛
忘れてきたが、愛しているぜ

けんかはいやだ
いつでもいやだ
理由があれば
なおさらのこと

おまえのせいじゃないことくらい
心の底じゃわかってるが
自慢の靴とお気に入りの櫛
くそっ!それより、愛しているぜ

けんかはいやだ
見るのもいやだ
いいもわるいも……おい、ちょっと待ってくれ!
あるもんじゃない


3.君と暮らせば

作詞:佐藤良成
作曲:佐藤良成

頭の中では 君はいないとわかってても
今までどおりに 僕は君と話をする
足だって二本ある この手を伸ばせば触れられて
今までどおりに 僕らは毎朝キスをする

僕にははっきり 君が見えてるよ

世間のルールでは 君はとっくに死んでいて
僕が見てるのは まぼろし、もしくは幽霊だと
それなら聞くけれど 飯はまずいし、便所にも行く
お化けならどうして 恨みもないのにここにいる?

僕にははっきり 君が見えてるよ
僕には そう、はっきり 君が見えてるよ


4.桶屋

作詞:佐藤良成
作曲:佐藤良成

お金がなくなると つまらぬことでいらだち
けんかが多くなる 別れの原因となる

不景気が続くと そのしわ寄せがいくのは
社会的弱者と 昔から決まっている

元禄の時代から 当たり前のことだよ
また今日も夕日が まぶしくて涙が出る

お金がなくなると 何ひとつ買えないので
家から出なくなる だらだらする日がふえる

お金がなくなると 南極の氷がとけ
石油が枯渇して マラリアが猛威をふるう

明日の天気予報 雨のち曇りの模様
お金ができたらここからぬけ出そう
とりあえず今は寝よう

また今日も夕日が まぶしくて涙が出る
まぶしくて涙が出る


5.好きになったころ

作詞:佐藤良成
作曲:佐藤良成

CD屋さんにならんだ知らない音楽
たくさん見くらべて選んだ
もじゃもじゃ頭にバイクのTシャツ
帰ってラジカセに入れた

何の音かわからないし、どんな歌かもわからない
だけどなんか胸がさわぐ、だけどなんか

こんなにいい歌何度も聴きたい
レコードじゃなくてよかった
みじめな気持ちも歌えば忘れる
これから毎日大丈夫

エレキギター、ドラム、ベース、へたな歌と、
へたなピアノ長くのびる高い音が、僕の胸に

いいな ほんといいな いいな
僕もそこへ行きたい

いいな ほんといいな いいな
僕もギター弾きたい
いいな ほんといいな いいな
僕もそこへ行きたい


6.おじさんと酒

作詞:佐藤良成
作曲:佐藤良成

たいくつな景色が いつまでもつづいて
それでついうとうと してしまったのです

きみへのこのおもい ことばにはできない
ましてやうたなどで つたわるものじゃないし

これからたとうというときに
おもわずでてくるためいきが
それでも今夜がさいごなら
めでたいうたのひとつうたおうか

滔々と流れる川 煌々と月が照らし
方々を彷徨う日が 茫々とただ過ぎゆく

とうとつなわかれが この角をまがって
これからやってくる これからやってくる

おいぼれじいさんうたうのは
若かりしころの恋ごころ
まぶたをとじればそのむこう
うしなった春がいまよみがえる
これからやってくる これからやってくる

老いぼれじいさん歌うのは
若かりし頃の恋心
まぶたを閉じればその向こう
うしなった春が今よみがえる